小型バーアンテナを使用したゲルマラジオ

ゲルマラジオの外観
透明プラスチックケースに収めています。
ゲルマラジオの外観
ダイオード、抵抗器はバリコン、イヤホンジャックの間で配線

市販のポリバリコンとバーアンテナを組み合わせてゲルマラジオを製作しました。 流通量の多い部品を使用しているので、ある意味、現在最もポピュラーな形態のゲルマラジオと言えるかもしれません。

ポリバリコンはストレート式AMラジオ用のもので、サイズは2cm角、容量は260pF程度です。 今回使用したバーアンテナは、マックスのPA-63Rです。 コイルを巻きつけるものをコア(芯)と呼びますが、バーアンテナのコアは、フェライトと呼ばれる磁気を通しやすい材料が使われています。 コアにフェライトを使用することで、空芯コイルより少ない巻き数で所定のリアクタンスが得られるので、部品のサイズを小さくすることができます。 PA-63Rは、フェライトコアに固定用の細い金属棒が設けられた製品なので、この金属棒に圧着端子を取り付け、ケースにねじ止めしました。 PA-63Rは、コイルの巻きはじめと巻き終わり(黄色、黒色の電線)のほか、2つのタップ(緑色と白色の電線)が準備されています。 接続するアンテナやアースに合わせて、最も効果がある接続を選択できるように、バーアンテナの両端とタップ、4つの端子を準備しました。 検波回路のゲルマニウムダイオード(1N60)と抵抗器(470kΩ)は空中配線しています。 ケースは持ち合わせの透明なプラスチックケース(W57×H20×D63)を使用しました。

回路図
回路図
ゲルマラジオの配線状況

ちなみに、大まかな製作順序ですが、使用する部品を取り揃えた後、ケースの取り付け位置を決め、ドリルやリーマーで必要な穴を開けます。 次に部品をハンダ付けして接続しますが、部品間の距離にしたがって、適当な長さに整えてからハンダ付けを行なっています。 ハンダ付けを全て終えた後、ケースに組み込み、ねじ止めして完成させています。 もし、部品をケースに取り付けてからハンダ付けすると、当然、プラスチック製のケースが溶けたり焦げたりします。 念のため、書き添えておきます。

ゲルマラジオの配線状況
ゲルマラジオの配線状況

持ち歩けるゲルマラジオ

管理人CRLの受信地は、5kW局から約14km離れています。 肝心の性能ですが、外部アンテナとアースを接続せず、バーアンテナ単独では受信できません。 しかし、外部アンテナとして、ワイヤーアンテナ電灯線アンテナを使用することで受信できました。 アンテナだけでは音量が不足しますが、アースも併用すれば音量も大きくなり、実用的に使えます。

外部アンテナやアースは必要ですが、小型で色々と持ち歩いて試聴しやすいことが、このゲルマラジオの魅力ではないかと思います。 このゲルマラジオを用いたフィールド調査(小型バーアンテナ単独の受信性能)を行ないましたので、ご参照下さい。


(2007/07/11 リンク追加、2009/07/26 掲載写真追加)