アンテナ回路2

電波の波長と周波数についての説明です。

電波

電波の正体は、空間を伝わる電磁波です。 電磁波は名前のとおり、電気と磁気の変化で構成されており、空間を波のように伝わる性質があります。 空間における電気的状況(プラスとマイナス)を電界といい、空間における磁気的状況(N極とS極)を磁界といいます。 電気と磁気は密接な関係があり、一方に変化が生じた時は、他方に変化が生じる性質があります。

電波(電磁波)の場合、まず送信アンテナに電流(送信出力)が流れることで、近くの空間に磁界が発生します。 この発生した磁界が、次の空間に新たな電界を発生させます。 さらに、新たな電界は次の磁界を発生させます。 このように、電界と磁界の波が、交互に発生しながら次々と空間に広がることで電波は伝わります。

波長と周波数

波長と周波数

一般に、状態が交互に変化する現象を振動と言い、1秒間に振動する回数を周波数(基本単位「Hz」、発音「ヘルツ」)と言います。 電波の場合も、1秒間に電磁波が変化する回数を周波数と呼んでいます。 電波の周波数は、音声(これは、空気の振動が正体)の周波数より遥かに高いことから、ラジオの分野では、音声信号を低周波、電波の信号を高周波と呼びます。

波長とは、1回振動している間に波が進む距離を言います。 電波は1秒間に約30万キロメートル(地球の7週半に相当)進むことが知られています。 例えば、中波1000kHzは1秒間に100万回振動しているので、波長は300メートルになります。 つまり、中波1000kHzの電波は、300メートル進行すると、電界がプラスとマイナスに、磁界がN極とS極に、1回の振動が発生しています。

波長とアンテナの大きさ

電波の持つ波の性質から、アンテナの長さが電波の波長と同じ場合、効率よく共振します。 つまり、アンテナから電波を放つにも、捉えるにも、強く作用できるので都合がよいのです。

したがって、アンテナの設計では波長が重要な意味を持っています。実用化されているアンテナは、波の性質をうまく利用し、本来の波長より半分(1/2)や1/4と、小さなサイズで上手に共振できる構造を持つものが多いです。

なお、AMラジオ(中波放送)の波長は、187〜565メートルに相当します。あまりにも大きいので、ゲルマラジオや鉱石ラジオの場合、できる範囲内で、長く、高く、大きく電線を張ることを心がければよいでしょう。アースもぜひ組み合わせて受信効率を高めてください。



FAQ 2 << 前 | 目次へ戻る | 次 >> 同調回路2